エロ注意



















































「あーつっかれた!」
土ぼこりとモンスターの返り血でベッドが汚れるのなんてこの際構わない。
スプリングの軋む音が少し耳障り。この前の安宿のように板の上に布団を敷いた粗末な
寝床じゃなくてよかった。油断してダイブしたらしこたま腹を打ち付けて碌に夕食を
取れなくなった。
「ゼロス、靴くらい脱げよな」
「めんどーい」
じたばた両足を動かせば、ロイドがブツブツ文句を言いながらも靴を脱がしてくれる。
足が蒸れてるせいで臭わないかと気になったがそれはお互い様だとゼロスは枕に顔を
うずめた。
重く体に溜まっていた疲れが柔らかい布地を通して吸い取られていく感覚。
汚れを落としてさっぱりした風呂上りも気持ちいいが、宿屋に入ってすぐのこの時間を
ゼロスは気に入っている。
「そのまま寝る気か?」
「んーん」
体は起こさないまま、上に羽織って居た服を脱ぎ捨てて足元へと追いやると、すかさず
ロイドがハンガーにかけて皺を伸ばす。
なんだかロイドに世話を焼かれるのも当たり前になってきた。駄目亭主を支える賢母の
ようだと一人ゼロスはニヤつく。
「何ニヤついてるんだよ。ほら起きろ」
「なんでー」
「髪ぐしゃぐしゃじゃになってる」
「んー」
絡みやすい髪をロイドが梳かしてくれるのもすっかり日常に組み込まれてしまった。
くせっ毛の上に基本量が人の倍あるゼロスの髪は一度たりとも大人しく収まった事が無い。
水に濡れても髪は相変わらず四方八方に飛び跳ねる。
「動くなよ」
「うん」
ロイドはあまりブラシや櫛を使わない。素手でやった方が感覚が掴みやすいらしい。
手櫛の方が上手いなんてさすがドワーフの息子、などと思うがドワーフの特技が手櫛か
どうかは知らない。
ロイドの指が髪を通り抜けていくたび、ちりちりとした寒気が沸き起こる。
冷えた体にお湯をかけた時のような、もどかしい感覚。
「綺麗だなー、うなじ」
「ふふん、ゼロス様だからな!」
髪を梳いていたロイドの手がゆっくりと皮膚を辿り、うっすら浮き出た背骨を辿るように
下がっていく。形を確かめるように撫で上げ、首を経由して顎のラインまで。
細工物の造形を確かめるように丹念に執拗に撫で回される。
「ちょっと…ロイドくん?」
返事は無い。
代わりに、首にしっとりとした感触。ねとりと熱気に纏われて、それがやっとロイドの
唇と舌だと気付いた。頭の中で必死におどけてロイドを跳ね除ける自分が居る。
現実は、耳まで真っ赤にしてぶるぶる震える自分の姿。
声が出てこない。ぎゅっと閉じた両膝の上、握り締めた両手がかたかたと震えている。
ロイドが興奮している様子は無い。ゼロスばかりが息をあげ、熱にうかされた病人のように
目を潤ませて震えている。
「ッぁ…」
髪に埋もれていた耳がぞろりと舐め上げられる。飴玉を舐めるように何度も何度も。
ついには口に含まれ、舌と歯とで揉み解される。
「や…や…」
「ゼロス、寒い?」
「え、あ、寒くないけど…」
「そうか」
質問の意図が掴め無いまま正直に答える。
狭い部屋の中、さんざん首と耳とを嬲り倒されて寒いはずがない。
むしろ一度引いたはずの汗が全身をじっとりと包み、吐く息にまで熱がこもっている。
そしてその原因は間違いなくロイドだ。
「じゃあこれは寒さのせいじゃないな」
「んぁッ」
前に伸びてきたロイドの手が服の上からゼロスの乳首を押しつぶす。
ゼロスは身を捩りながら目の前で起こっている信じられない出来事をただ
見つめていた。
何がどうなってロイドが自分の乳首を楽しそうに摘んでいるんだ。
「ロイド…っ」
「なぁ、乳首気持ち良い?」
ロイドは飽きもせずゼロスを責めつづける。あくまで布地の上から、ゼロスがぐたりと
体を預けるようになるまで何度も押しつぶして、捏ねて、引っかく。
乳首に触るたび、ゼロスの体がびくびくと跳ね上がり、飛び跳ねた髪がロイドの鼻先を
かすっていく。
弄られ続けて痛くなってきたのか、それともどうしようも無く気持ちいいのか
「ゼロス、手ぇ空いてんなら自分で乳首擦れば?」
「え…何…?」
「ほら」
ぼんやりとしたゼロスの左手を掴み、服の中に突っ込んでやればまた面白いくらい
体が跳ねる
「あ、あ…ロイド…!」
「気持ち良いだろ?」
「うん…うぁ…ッ」
「いっつもさ、思ってたんだ」
「んひっ!」
ずるりと服の中に潜り込んだロイドの手が、ゼロスの乳首を乱暴に摘む。
「お前戦闘が多い日とかいっつも宿屋でぼんやりしてるだろ」
「やぁ…っ!ぃ、痛いって…ぁあ…」
「誘ってるようにしか見えないんだよな」
自分勝手なはずのロイドの理屈も今のゼロスにとっては正当な理由のように感じるから
不思議だ。
薄い壁をへだてた部屋には他の宿泊客だって居るだろう。家族連れの騒がしい声が時々
聞こえてくる。ともすれば、ゼロスの切羽詰った声も漏れてしまっているかもしれないのだ。
全速力で走った後のように短く息を切らしながら、頭の片隅でそんな事を考える。
「ゼロスのえっち」
「んむ…」
意地悪いロイドに反抗しようとした口はあっさりと塞がれた。
楽しそうに舌を吸うロイドをちょっと睨みつけると、合間に誘ってるのかと
聞かれてしまった。無理な体勢が辛くて少しロイドの胸を押し返すと、そのまま
ベッドに押し倒された。
「ロイドくんなんか慣れてない?」
「襲ってきたモンスター倒すのと同じ要領だからな」
「ひっど。俺様モンスター?」
「かもな」
「えー」
笑いながらロイドが輝石に口付ける。ひくりと揺れたゼロスの喉に喰らいつき、
喉仏を舐め上げた。
身を捩るたび、散々弄られた乳首が服に擦れて痛い。いっそ脱いでしまいたくなるが、
それではヤりたいとロイドにおねだりしているみたいで嫌だ。
中途半端に昂ぶって布地を押し上げている股間もどうにかしたいが、ロイドの両足が
がっちりと体を挟んで余り動けない。
「ゼロス、乳首痛くねぇの?」
見透かしたように、ロイドが黒いシャツをたくし上げて聞く。
「あ、やっぱり赤くなってる」
「そりゃあね…あ、触るなよ痛いんだから」
「じゃあ舐める」
「待て待てロイド!それは間違って、っ…ん」
問答無用で口に含まれ、途端に走ったピリピリとした痛みに顔をしかめる。
シャツが邪魔でロイドの顔は見えないが、どうせ楽しそうに吸っていることくらい
予想できる。
何がどうなってこんな流れになったんだろう。
いつもだったら髪が綺麗になったらそのまま二人で食堂に下りていって、
皆が来るのを待って夕食を取る、といういたって健康的な流れにしかならないのに。
「はっ…ぅあ…」
何処で間違ってベッドに押し倒されて乳首を吸われているんだろう。
どうせならぼんやりしたままこの行為が続いていればそんな疑問など感じもしなかったのに。
夕食に遅れてしまったら誰かが呼びに来るかもしれない。
リフィルやしいなだったらどうしよう。技の数発は覚悟しないといけないかも。
「…集中しろよ」
「ひぁっ!」
歯を立てられて感じたのは痛みではなく鈍い快感だった。
「何考えてんだよ、ゼロス」
「う…ロイドくんこそ」
「俺?」
「こんな時間から盛んなよ」
「良く言うよ」
「んぁッ…」
盛り上がった股間をロイドにぎっちりと握られる。ゼロスの額から嫌な汗が
だらだらとあふれ出した。てっきり気付いていないと思っていたのに。
慌てるゼロスを楽しそうに見ながら、ロイドは形をなぞるようにゆっくりと手を動かす。
ぴくぴくと痙攣する太ももを押さえつけ、視線だけゼロスに合わせてにやにやと笑う。
「ぅ…解ってんならイかせろっつーの…」
「先に俺な」
返事を待たずに唇にすっかり勃ち上がったロイドのものが押し付けられる。
半開きの口に無理矢理押し込もうとしても歯が邪魔らしく、早く口を開けと当たり前の
ように言われて意地になって口を閉じた。
「普通俺が先でしょーよ!」
「もう我慢出来ないのか?」
「う」
「堪え性ねーなぁ、ゼロスは」
「だぁああ!ロイド!俺様の舌技に驚くんじゃねーぞッ!」
「おう」
冷静に考えればまんまとハメられたのに気付くのに、挑発されて頭にのぼったゼロスは
とにかくロイドを早くイかせて早漏扱いすることに頭を支配されていた。
仰向けに寝そべった状態から頭だけを起こし、ロイドのものを口に含む。
中でびくびくと脈打つ肉の感触にぞくぞくしながら必死に舌を絡ませ、吸い上げる。
だんだんロイドの息が上がってきたのを確認して、更にゼロスはペースをあげる。
「…ゼロス…」
「ぅん…?ひゃに?」
「ちょっと我慢してくれな」
「ぇ…ぐっ!」
さっきからロイドは人の意見を聞かない。無視するのではなく、それ以前に聞こうとしない。
実は余裕が無いんだろうか。あんなに楽しそうに自分を苛めてたくせに。
頭を両手でがっちり掴まれて、息をする間も無く激しくロイドのものが出入りする。
歯が当たらないように口を大きく開くくらいの協力はしてやるけど、顎が疲れてきた。
せっかく整ったゼロスの髪はかき回されてまた絡み始め、宿屋についた頃より酷くなっている。
「うー…」
とりあえず出せる声で抗議してみるが、ロイドは聞いちゃいない。
眉根を寄せて、敵の攻撃を受けた時みたいに切羽詰った顔で一心不乱に腰を突き動かしている。
そろそろ顎外れるかな、と思った瞬間口の中に新鮮が空気が入り込み、鼻先にぼやけた
ロイドのさきっぽ。
あ、と思って咄嗟に目を瞑ってよかった。
鼻先から額にかけて、盛大にぶっかけられた熱い液体。しっかり髪にも降りかかってる。
「ロイドくーん…」
「ん?あ、そうだお前まだイってなかったよな」
「え、いやいや俺様はいいから!」
「遠慮すんなって!」
本当に人の意見を聞かない。乱暴にベルトをはずされてズボンを引き下ろされて、下半身だけ丸出しの
間抜けな格好でベッドに横たわる。顔にはロイドの精液が残ったまま。
異常な状況なのに、下半身にどんどん熱が集まる。先走りでぬめった先端をロイドが吸い上げ、
しょっぱいなー、と笑う。
「…ロイドくんの大馬鹿やろー…」
「なんだよ。気持ちよく無い?」
「そーゆー問題じゃねぇっての…」
本当に何やっているんだろう。
すでに夕日が窓から差し込んで、部屋をオレンジ色に染め上げている。
今にも廊下を誰かが歩いてきて、夕飯だから下りて来いと言うだろう。運が悪ければ、
ノックから間髪入れずにドアを開けられて、ばっちりこの異様な光景を見られて、さらに運が
悪ければリフィルに告げ口されて…
「ロイドーゼロスー居るー?」
「!?」
突然ドアの向こうから聞こえてきた声にゼロスの体が跳ね上がる。
慌てて起き上がろうとした体をロイドに押さえつけられ、混乱したまま目を白黒させる。
「もうすぐ夕飯だってさ。一緒に行かない?」
何も知らないジーニアスの声がさらにゼロスを焦らせる。ロイドを見れば、にんまりと
笑って、何を考えているのかゼロスのものをぱくりと口に含んだ。
「…ロイドー?居ないの?」
ドアには鍵がかかっていない。
「すぐ行くから先に行ってろがきんちょ!」
「居るなら返事してよね、全く…」
ゼロスが返事をしたことが不満なのか、ジーニアスはしばらくドアの向こうでぶつぶつと
文句を言っていたが、すぐに先に行ってるからと踵を返した。
遠ざかっていく足音。
ホッとした瞬間一際強く吸い上げれて、ゼロスは呆気なくロイドの口に放った。
「あっ…!」
余韻に体をびくつかせて、大きく息を吐き出す。
心臓はまだうるさいほど脈打っている。こんなに緊張したのは何時以来だろうか。
「やらしい格好してんな、ゼロス」
飲み込みそこねた精液を手の甲で拭いながら、ロイドがゼロスを見下ろす。
顔にかかったそれはすっかり熱を失い、指でなぞれば糸を引いて絡みついた。
半開きのゼロスの唇に擦り付けるようにすれば、舌がそれを舐め上げる。
「美味しい?」
「不味い」
「だろうな」
シーツでゼロスの顔を拭いてやりながら、ロイドがげらげらと笑う。
「ドア開けられるかと思った…」
「まあ、その時はその時で」
「…ロイドくんて天然タラシの上にサドなわけ?」
「?サド?」
「何でも無い…起こして」
力が入らなくなった両手をだらりとあげると、勢いをつけて引っ張られる。
そのまま立ち上がりたかったが、まだ足に力が入らない。
「夕飯持ってきてやろーか?」
「いや…いい」
リーガルのおっさんあたりはすぐに察して後でからかってきそうだ。
何かを察したリガールからさらにリフィルが何かを察して、と嫌な連鎖が起こりそうだ。
変な勘ぐりをされてはたまらない。宿屋に入ってすぐこんな事をしている方が悪いのだが。
「さーメシだメシ!」
「元気だねぇ、ロイドくん…」
「おう!一回出したしな!」
「…頼むから、それ皆の前で言わないでね」
当たり前だろ、と元気に言うロイドに一抹の不安を抱えながら立ち上がる。
少し腰元がフラつくが気を張れば皆に不信感を与えるような事は無い。
うきうきするロイドの後ろを歩きながら、ようやくいつもの流れに戻ってきたと
ゼロスは一人安心した。













2005/11/13 up









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