「ああ、腰が痛い」

給料日にいつもいかがわしい匂いの漂う夜の街へと繰り出す部下が
そんなことを口走れば、それから想像するのは皆同じことだ。

だから誰も同情しようとしないし返事さえしてやらない

そんなことはその部下だってわかっていて、いつだって
ただ壊れたおもちゃのように同じセリフを繰り返すだけだ。暇つぶしのように。




驚いたのは一番寡黙で真面目なドイツ人の部下が「大丈夫か」と声を
かけたことだ。






























意識イジメ







































しかしもっと驚いたのは今まで騒いでいたその同僚がその言葉をスイッチに
したかのようにピタリと口を閉じたこと。


「どうしたァ?喧嘩でもしたのか」



思わず自分も身を乗り出すが、騒がしく開いたり閉じたりしていた唇は
湖に浮かぶアヒルのように尖ってその心情をあらわしている。




「隊長のせいですよ」
「あ?」



やっと唇が開いたと思ったらそこから出たのは拗ねたような声だ
しかも自分への非難の始まりらしい



「昨日、俺赤いシャツ着てたでしょう」
「あー…そうだっけ」
「そうですよぅ!」





だから何だ、昨日の服の色でなんでお前の腰が痛くなってついでに
俺が責められるような展開になるんだ。





「しかも隊長、べろんべろんに酔ってましたよねぇ」
「飲んでりゃ酔うさ、酔わねぇと楽しく無いだろ」




素早く切り返すと今度はキィキィと歯をむき出して怒り出した。
あまりからかうと不機嫌がマーカーにまで飛び火したら考えものだ。
あの中国人は必要最低限の礼儀と敬意を払って八つ当たりをしてくるだろうし、
此処は早々に決着をつけなければならない。



と言うことで早速右手に光を集め始めると、Gが突然口を開いた





「隊長を責めるのは間違っているだろう」
「何言ってんだよ元凶だぜぇ、この人ッ!」
「結果的に悪いのは俺だ」
「知ってる!」
「なら…」




目の前で繰り広げられる一方的な喧嘩。ロッドの唇から次々と飛び出す
罵詈雑言が鋭い刃になってGを切りつけているようだ。無口なGが顔の筋肉まで
強張らせている。



だんだんイライラしはじめたマーカーを抱き寄せて頭を撫でてやりながら、
昨日の宴会でロッドにしたことをなぞり返す。








はっきり言って目の裏に浮かぶのは度の強い眼鏡をかけているかのような
不明瞭な映像だけで、音声に至っては皆無だ。
騒ぐロッドの喉が潰れやしないかという考えが浮かんだところで、
そいつは力尽きたように床にへたり込んだ





「…今日は大人しくしていろ」
「やだよ!何でこんな良い天気の日に遊びにも行かずに汗臭い飛空艇にこもんなきゃいけねーんだッ!」
「腰に響く、大声を出すな」





腰を痛めているらしいロッドよりも辛そうな顔をしたGが呟く。
調子に乗ってのそのそと膝の上に身を乗り出してきたマーカーの尻を片手で揉み
ながらさてどうなるか、と見守るとロッドの体が宙に浮いた


ロッドは良い年こいて所謂姫抱きをされたのが気に食わないのか、さっきよりも
酷い暴言を撒き散らして運ばれていった。一切抵抗が無かったところを見ると
腰がかなりやばいのか










「マーカー、おめぇ何か知らねぇの」





腕の中で成すがままにされている中国人に問いかけると、ややあって
ああ、と返された。




「ロッドの髪は蜂蜜色でしょう」
「まぁ、ハニーブロンドではあるな」
「それで赤いシャツです」
「で?」
「家出ボーヤが好きな鼠の同僚に、蜂蜜が好きで赤いシャツを着た下半身丸出しの黄色い熊がいるでしょう?」
「…あー」




そう言えばその生き物にロッドが似ていると言ったような気がする。
それで何でロッドが腰を痛めてGのせいになっているのか。



説明しろ、と言えばマーカーがうっとりとした表情で俺の首に両腕を回す
知りたければそれ相応の見返りを寄越せと言うのか、直属の上司に





「部屋で可愛がってやるからとっと話せ」





近づいてくる唇を舌でなぞりながら言うと、にんまりと笑ってマーカーは離れた。
体は相変わらず俺の膝の上だが




「問題は貴方がGに言った言葉です」
「Gに?」
「ええ」























「ロッドがお前の好きな熊に似ているぞ、可愛がってやれ、と」












































俺の部屋で気絶するように眠っているマーカーを放置してロッドの
部屋の扉をノック無しに開ける。



「あ、隊長ー少しくらい加減してくださいよぅ。マーカーの声だだ漏れ!」


ぎゃあぎゃあと喚くロッドを見ると、傷一つ無い背中全体に白い長方形が点在している。



「湿布かよ、ジジくせー」
「仕方無いでしょー痛いし」
「…すまない」
「あーもぅいいって」



ロッドがうつ伏せになって転がっているベットの横、イスに座ったGが
うな垂れて謝っている。ロッドの中ではもう仲直りしたことになっているらしいが





「で、結局何だったんだよ?」




マーカーに詳しく聞こうとしたが途中からヤる方に意識が傾いて気付いたら
もうあいつは気絶した後だった。



どかりとベットに座ると、その反動でロッドの体が強制的に浮かされる。
安っぽいスプリングは落ちる時の衝撃など吸収してくれるはずもなく、
腰に刺激を与えてしまったロッドは声にならない叫びをあげて枕につっぷした





「Gがね、えらく興奮しちゃって朝まで離してくんなかったんすよ。
 酔ってるもんだから手加減無しで。抱き潰されるかと思った」




しかも逃げないようにか知らないけどがっちり押さえ込まれて身動きも取れない、
だから筋肉まで凝り固まってもうどうしようも無くなったと?








「…くだんねー」



















くるりと背を向けて部屋を出て行こうとすると、態度が気に食わないのか
ロッドがぎゃんぎゃん喚きたてている。



ああG、そいつなだめんの大変だろうけど俺もこれからもう目ぇ覚めてるだろう
マーカーの相手しねぇと。妙な交換条件付けちまったせいで精気根こそぎ
奪われそうだ。





































良かったなロッド、きっと俺もお仲間入りだ


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うちのマーカーちゃんは絶倫さんなのです。受け攻め関係なしに。

ハーレム=マーカー>G>ロッド ロッドが1番受けです。
筋肉的に1番萌えるのはハレロドハレです。柔らかいピンク肌(筋肉)が絡み合うのは
もうすでに芸術です。

Gは単体で芸術、マーカーちゃんは魂含めて芸術的だと思いますボケっぷりも


内容に話しを合わせますと、これはもともと拍手に入っているマカロド短編に
入れる小ネタでした。数行の。


没にしたので普通に書いたらこんなんに…


2004.10.16up
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